東宝のYoutubeチャンネルで、新海誠監督の作品映像集を見たのだけど、
やっぱりものすごく敏感に光を描き分ける人だなあと思った。
https://youtu.be/GwUAwQRp850
雨降りの濡れた路面の反射、
窓から差し込む七色のゴースト、
ピントの合った雨粒の輝きと、
玉ボケして後ろの風景の色を取り込んだ雨粒の違い。
肉眼では捉えられない光でも、レンズで捉えた時の光の現象をうまく
織り交ぜながら精細に表現していて、それが映像と自分の思い出とを
どこかで交差させるような効果を出していて凄いと思った。
「君の名は。」でも、建物のガラスに反射する太陽光、
室内に差し込む午前中の太陽光、午後の太陽光、
ネオンや街灯、スマホの画面など人工の光、
そのシーンをカメラで撮影しているとしたら現れるレンズの反射光と
何種類もの光を描き分けていて、季節感や、空気の温度、そこに
漂っている心情の穏やかさ、あるいは冷たさなどがよく伝わってきた。
光の描写って、いろんな人が体感を重ねやすいのかもしれないね。
なにげないシーンの、なにげない光を丁寧に描く目線があるから、
「かはたれ時」の2、3分が、効果的に響くのかなとも思う。
『淑女我報』のなかで笹さんと話したのだけど、
私が田舎の早朝の海で見ていたパステル色の空というのは、
よくよく考えれば、午前4時台の「かはたれ時」だった。
太陽が沈み切れば終わってしまう黄昏時と同じく、
太陽が地平線から昇りはじめた瞬間にそのパステル空も消えてしまう。
映画を見て、無意識のうちに、その情景を思い出して話したのかも・・・。
どう? この乙女なはまりっぷり。
(※「かたわれ時」と書いていたのを、「かはたれ時」と訂正してくださったWさんにお礼申し上げます)
このごろあまり写真を撮りに出ないんだけど、
下の2枚は、昨年の夏ごろ、代官山の空。
午前4時55分から3分程度のほんの少しの時間帯だ。
これを過ぎると完全に朝焼けて、強いオレンジから、朝の光へ変化していく。
もう1、2分タイミングが違っていれば、もっと優しいパステルの空だったんだけど。